GUM’s blog

自主製作ドラマやバラエティをかつて作っていた人のブログです。映像に関係があるときと、著しく関係がないときがあります。

教習所に9ヶ月間いた俺が、免許取得までの道のりを説明する①

こんにちは。

 

今回からしばらくは自動車学校の体験談について記していきたいと思います。

 

体験談にしながらも、免許取得までの道のりについて、分かりやすく述べてゆきたいと思いますので、「これから免許を取得する人」「今教習所に通っている人」に参考にしてもらえたら嬉しいです。

 

それでは、入校から見てゆきましょう!

 

①入校

―2016年7月、某自動車学校に入校。

 

 

セミが僅かに鳴き始めた頃だった。

学校の試験期間が終わり時間に余裕が出来た俺は、この時まさに、人生の一大イベントに取り掛かろうとしていた。

そう。免許の取得である。

大人の証とも言える、自動車免許。当時の俺は、喉から手が出るほどこいつが欲しくて仕方がなかった。

しかしながら、免許を獲得するにはそれなりの時間と労力が必要とされるとも聞く。

大学に入学してからしばらくと言うもの、俺は色々な言い訳をつけて、免許取得へと漕ぎ出すことをためらっていた。

 

そしてようやく時間が出来たこの夏。ついに教習所に通う覚悟を決めたのだ。

 

7月末日。

入口の傍に自転車を止め、期待と不安に満ちた何とも複雑な表情で、俺は教習所の扉を開いた。

室内を一瞥する。

待合室の概観は、頭の中で描いていた通りだった。少し古びた待合用のソファに、高校野球を映す小さなテレビ。想像通りすぎる構造に、拍子抜けするくらいだった。

ひとまず安心して胸をなでおろし、カウンターに向かう。

 

 

俺「あの、入校したいんですけど」

 事務員の人「あ!入校の方はあちらでお待ちください」

 

 

ちょっと優しそうなお姉さんに受付に誘導され、ワクワクしながら椅子に座る。

素晴らしい。

幸先の良いスタートに、素敵な教習生活が始まる風を感じた。

―今から俺は大人の階段を上り始めるのだ。

そんな期待に胸が躍った。

 

 

 

しばらく待ってたら、おっさんがやってきた。

さっきのお姉さんは電話対応をしていた。

 

仕方がないので色々と説明を聞きながら、同意書にサインしたり、簡単な視力検査などをして手続きを一通り終わらせると、教習費用の話になる。

 

 

 

おっさん「~~ということで、教習の費用は合計で(約)20万円になります」

俺「はい」

おっさん「お支払いください(スッ」

 

 

俺「は?」

 

思考が停止した。

 

 

この時代にキャッシュだと?馬鹿かこいつ。

 

 

一気に俺の自信が崩れ落ちた。.

そう。俺の通った教習所は、なんと教習費用が現金払い限定で、しかも入校時に一括のみだったのだ。(後で調べたら公式サイトに載ってたので0:10で俺が悪い)

 

ここに来て予想外の先制攻撃に戦慄き震えながらも、一応財布を確認してみた。

どう見ても1500円しか入ってなかった。

 

 

俺の中で完全にパンツが破れる音がした。

 

 

俺「今から親に(自分の口座に)振り込んでもらいます……」

おっさん「あの、今日振り込んでも間に合わないと思うんですけどw」

 

 

んなことお前に言われんでも分かっとるわハゲ。

 

 

心から自分という存在を恥じた。そして帰りたくなった。海に。

しかしここで折れては、大人への階段を上る夢は叶わない。俺は唇を噛みしめ、臥薪嘗胆を決意した。

 

話し合いの結果、「(振り込みが)間に合えば午後の入校式に参加。間に合わなかったら来週の入校式に参加」ということで話が一旦収まり、お昼休憩になった。

 

その日昼食にしたモスバーガーの味はあまりよく覚えてない。多分美味しかった。

 

13時前頃、奇跡的に振り込みが最速で終わったので、その日のうちに入校。母親にはそれなりに叱られた。当然である。

 

入校式では、教室で色々と免許取得までの手順や規則の説明がなされ、適性検査なども行われた。

大体二時間くらいかかった。

最後に、教習手帳(達成した教習についてハンコを押してもらうための超重要な冊子。ラジオ体操のスタンプカードみたいなもの)用の顔写真を撮る。

 

事務員の人「撮りま〜す。はい、チーズ。……では、これを教習手帳にちゃんと貼ってくださいね」

写真を受け取る。

 

 

確実に18人は殺してる顔をしていた。

 

 

やはり表情に精神状態は反映されるものなのだ。

丁度新たな知見を得たところで、入校式は終わった。

 

教習は明日から頑張ることとして、一目散で家に帰った。

 

何はともあれ、教習の最難関である入校式は終わった。

後は何回か車に乗り、試験をパスするのみである。

 

 

金はもう払った。(親が)

失うものは何もない。

 

気を良くした俺は、スポーツカーに乗って湘南をドライブする自分の姿をこの時思い浮かべていた。

 

 

俺の爽やかな教習ライフが幕を開けようとしていた。

 

                           つづく